三太郎物語 〜 三浦家の人々 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19550123
 


 三浦 朱門  作家 19260112 東京          /文化庁長官07/夫妻ともカトリック教徒
♀曽野 綾子  作家 19310917 東京          /曾野/籍=三浦 知壽子/旧姓=町田
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 三浦 太郎     19550123 東京          /朱門&曽野 綾子の長男
http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~tmiura/miura.html
 文化人類学聖トマス大学教授/〜《太郎物語(信子&正二の子?)新潮社 NHK》
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♀三浦 暁子  随筆 19561103 静岡          /太郎の妻/〜《太郎家族のボルネオ日記》
 三浦 太一     199.‥‥ 東京          /太郎&暁子の長男
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 三浦 太郎 絵本画 1968‥‥ 愛知 東京       /
http://www.taromiura.com/
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 三浦 太郎 (尺八)1946‥‥ 三重 四日市      /
http://www3.plala.or.jp/take8/TARO.HTM
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 山川 秀峰 日本画 18980403 京都 東京 19441229 46 /美人画/籍=嘉雄/方夫の父
 山川 方夫  作家 19300225 東京   19650220 32 /0219交通事故/籍=嘉巳
♀山川 みどり 編集 1941‥‥ 東京          /方夫の妻/旧姓=生田/芸術新潮編集長
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♀三浦 綾子  作家 19220425 北海道  19991012 77 /旧姓=堀田/プロテスタント〜《氷点》
 三浦 光世  歌人 1924‥‥ 東京 旭川 /営林署勤務/1959結婚/三浦綾子記念文化財団理事長
 
http://9015.teacup.com/gba00502/bbs
 山川方夫掲示板 ↓考える人:山川みどり
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/chosha/chosha_yamakawa.html
 

── 『遠来の客たち』の頃  山川 方夫
 
 曽野さんに『三田文学』の編集担当として、はじめて小説をお願いし
たのは昭和二十八年の秋である。渋谷の喫茶店で友人に紹介してもらっ
た。雨の降る日だった。透明なビニールのレーン・コートを着て、背の
たかい、いかにも賢こげな目をした大柄な女性が友人につづいて店に入
ってきて、「ワタクシ、ソノでございます」とひどく丁寧な物腰で自己
紹介をした。向いあって坐ると、その女性はまたいちだんと背が高くな
ったように思え、へえ、いやにデケエひとだな、というのが僕の第一印
象だった。
 当時、すでに曽野さんは臼井吉見氏や一部の作家たちに認められてい
たらしいが、僕はそのことはずっと後で知った。曽野さんについては、
友人に借りた数冊の『新思潮』にのっていた作品の他に、ほとんどなん
の知識もなかった。ただ、いくつかのその作品に共通する。(ママ)全
体に光るような粘りのある文章に魅されて、この作家なら大丈夫、と単
純なアタリをつけていただけなのである。
三田文学』にもらっ最初の作品は『鸚哥(いんこ)とクリスマス』で、
これは僕の好きな作品だったが、それだけにどう評価されるかがまるで
自分のもの以上に気がかりだった。この気分は編集の経験のある方なら
おわかりと思うが、だからそれが好評を受けたときの嬉しさといったら
なかった。すぐ、こんどはすこし長いものを、という依頼の電話をした。
「では、何枚ぐらいいただけるんでございましょうか」
「そうですね、七十枚、いや、八十枚でも結構です」
「そういたしますと、七人か八人の人物を出せますわね。ワタクシ、十
枚あれば人間を一人描ける、と計算いたしますの」
 もう十年も昔のことで、現在の曽野さんにはちょっと迷惑かもしれな
い。が、この言葉はそのころの曽野さんの客気といっしょに、曽野さん
の小説にたいする考え方、その成果を支える確信の質を、かなりよく暗
示していた気がしてならない。
 もちろん、その言葉に僕はびっくりし、当時の僕なりの反撥もかんじ
た。だが、期日ぴったりに届けられた作品を読んで、僕はあらためて曽
野さんの文才に感嘆し、ほとんど呆れかえった。なにもいう気になれな
かった。それほどその才能はあらゆる計算を越え、ブリリアントにそれ
をカヴァして、どこにもその計算の計算としての欠点を見せていないの
だった。この作品が、『遠来の客たち』である。僕が本当に曽野さんの
すぐれた才能を信じたのは、じつはこのときからかもしれない、といま
になって僕は思う。
 はじめこの原稿の表紙には、『一九四七年貢』というもう一つの題名
のプランも書かれていた。相談をうけ、僕は『遠来の客たち』を選んだ。
すると、しばらく首をかしげ惜しそうな表情をうかべてから、曽野さん
はふいに決然とペンを握り、手に力をこめて『一九四七年夏』の文字の
上に線を引いた。(作家)
── 山川 方夫《『遠来の客たち』の頃 196312‥ 新日本文学全集月報23 集英社

 
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(20090131)
 

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